ヒストリー

助けられる命はすべて救いたい──
「世界一赤ちゃんが安全に生まれる国」に唯一無二の技術で貢献しています

1984年
「株式会社メトラン」設立。新生児の肺に優しい換気を実現するHFOを開発

1984年、ベトナム人留学生として日本の大学で学び、医療機器メーカーを経て新田一福(トラン・ゴック・フック)が創業。「未熟児を助ける人工呼吸器を」という現場の声に応えたのが始まりで、社名は「トランのメディカル会社」に由来します。

未熟児の未発達な肺には、後遺症を残さない「優しい換気」が不可欠です。新田が臨床医と開発した「高頻度振動換気(HFO)」は、米国立衛生研究所(NIH)の試験標準器に認められ、国内NICUの約9割に導入されるなど、新生児医療に革命をもたらしました。

また、動物用呼吸器(SAV-6)でも繊細な肺を守る「圧力制限換気」を実現。「助けられる命はすべて、健やかなまま救いたい」という創業以来の信念が、私たちの技術の原点です。

ハミングバード量産1号機
ハミングバード開発時。右が新田一福

2006年
睡眠時無呼吸症候群の治療器「ジャスミン」を開発・製造

次にメトランが研究開発に挑んだのは、国産の睡眠時無呼吸症候群治療器でした。

開発に必要な技術をすでに海外メーカーが特許取得、新規参入が困難な状態であった中、一福は1999年に当時アメリカの大学院生だった中根伸一(現社長)と出会います。

睡眠時無呼吸症候群の治療装置について研究していた中根は研究成果を一福に託し、その後帰国して開発に協力。国産初の持続的自動気道陽圧ユニットである「ジャスミン」が完成し、三代目にあたる「JPAP」は2016年グッドデザイン賞を受賞しました。

ジャスミン

2011年
動物用人工呼吸器「Compos X」を開発・製造

小動物から大型動物まで対応できるCompos Xは、口元フローセンサーの採用により、より正確な呼吸管理が可能となった高機能モデル。その性能とコンパクトで持ち運びやすい形状を高く評価され、霊長類から猛獣、爬虫類まで幅広い分野で活用されています。(写真提供/アリゾナ大学 Victoria M.Lukasik DVM, DACVAA)

犬歯の破折にともなう根管治療を受けるワオキツネザル

犬歯の破折にともなう根管治療を受けるベンガルトラ

創傷デブリドマン(壊死組織の除去)を受けるオオアナコンダ

2020
コロナ禍により世界中で人工呼吸器が不足。緊急増産要請に応える

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、医療現場では人工呼吸器がひっ迫しました。海外市場の本格開拓に踏み出しつつあったメトランには、世界中から人工呼吸器の注文が届きましたが、自社だけでは対応が困難でした。そんな中、経済産業省の働きかけにより、2020年4月には大手自動車部品会社の拠点や人的資源を活用した人工呼吸器生産プロジェクトがスタート。より簡単に扱える新型人工呼吸器「Eliciae MV20」を2ヶ月でスピード開発して量産化を実現し、国内だけでなくベトナムやボリビア、インドネシアなどに供給されました。

2025年
セントラルメディエンスグループとして新しいスタート

コロナ禍が終息し、メトランは増産した人工呼吸器の在庫を抱えながら社会の変化への対応に追われました。原材料高騰と急激な円安によるコストの増大に加え、部品調達の遅れも経営を圧迫。ついに2025年2月27日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けました。

同年5月23日付で株式会社セントラルメディエンスとスポンサー契約を締結、今後はセントラルメディエンスグループの100%子会社として、国内外での供給体制を一層強化しながら新たな市場へ展開。事業再構築を行いながら、これまで以上に世界中の「小さな命」を救うべく、社会に貢献してまいります。

2025年5月23日、スポンサー契約締結を終えて