- 2000/02/03
- HUMMAXシステムMAXⅡ
加温加湿システムではじめてポリエチレン多孔質中空糸膜を採用しました。
中空糸膜の特性を生かして、チャンバー方式の約3倍以上の気化水面を確保し、優れた加湿性能をお届けする加温加湿システムです。呼吸回路内の温度に比例して均一に相対湿度100%の加湿ガスが供給されて、吸入ガスの湿度不足を抑えます。加湿の方法は?
気化を利用しています
たとえば、コップに水を入れて何時間か放置しておくと水面が下がります。これは水面から絶えず水分が蒸発しているからです。HUMMAXではこの原理を利用して、水面と空気中の境目になる部分にポリエチレン多孔質中空糸膜という膜を使っています。この膜には0.1μmの穴が空いています。中空糸膜の内側を通る水は中空糸膜の作用により外側へ気化します。
水蒸気(気体)は通しますが、水(液体)を通すことはありません。優れた水接触面積
中空糸膜の空孔率は実に75%に及びます。空孔率とは材料の中で空気が占める割合です。
空気と触れる部分が多いということは、加湿のための水が気化しやすいことになります。
HUMMAXでは120cmの中空糸膜を32本使用して、分時換気量3~30L/分まで相対湿度100%を保ちます。ポリエチレン多孔質中空糸膜って?
製法
ポリエチレン中空糸膜の製法は、非常にユニークな方法です。
まず、最初にポリエチレン樹脂を熱で溶解して、押し出し機で透明なチューブを作ります(溶融紡糸法)。
この透明なチューブを引っ張ると分子間の細かい裂け目ができて、白い糸になります(延伸開孔法)。
引っ張る強さや速さ、温度などの条件を厳密にすることにより、裂け目の大きさをコントロールでき、0.1μmの超微細孔の大きさを管理しています。
ピュアなポリエチレンポリマーを原料として製造しているので、溶剤や可塑剤等を一切含みません。そのため、溶出物が極めて少なく、衛生的でかつ安全な膜です。さらに、この中空糸膜の製造工程において、オンラインピンホール検査をしていますので、微生物リークに対する信頼性も抜群です。効率の良い加温加湿を
呼吸回路内全域で加温加湿
呼吸回路内の凝結水は、呼吸回路内を流れるガスの温度変動により発生します。室温による影響だけではなく、呼吸パターンによる吸入ガス流量の大きな変動も原因となります。
そのため、多くの湿度が回路内で凝結水となり失われてしまいます。
HUMMAXシステムでは、回路内全域で加温加湿を素早く行うので、温度変動の影響を抑えて様々な温度設定でも相対湿度100%を安定して供給することが可能です。細菌繁殖を減らすために
中空糸膜のポアサイズは0.1μm。均一な開孔サイズで0.1μmまでの菌をシャットアウトすることができます。
簡単な操作と機能性
設定は吸入温度の調節のみです。
500mLボトルで約8時間の加湿ができます。
温度、水、ヒーターへの安全機構が装備されています。